2022年02月21日(月)公開
コロナの疑問「接種したワクチンの有効年月日が修正されているが大丈夫?」「家族内でそれぞれ症状が異なるのはなぜ?」医師が解説
編集部セレクト
2月18日の毎日放送『よんチャンTV』では、新型コロナウイルスに関する視聴者から寄せられた質問などについて、医師でもあり公衆衛生に詳しい関西福祉大学の勝田吉彰教授に答えていただきました。
ワクチンの有効期間の記載に二重線
【視聴者からのメッセージ】
『きのう3回目のワクチンを打ちましたが、最終有効年月日が二重線で消されていました。期限切れワクチンの在庫処分なんでしょうか?効果が低いとかだと嫌ですし、とても不安です』
(大吉洋平アナウンサー)
「厚生労働省によりますと、最初に有効期間が設定されて以降も、メーカーは長期間のデータを収集しているということです。その結果に基づいて、“もう少し大丈夫でした”という情報が更新されているんだと。ファイザーなら当初より3か月延長、モデルナなら当初より2か月延長されているということです。勝田先生も今回に限りはOKであると?」
(勝田吉彰教授)
「そうですね。ちゃんとしたデータに基づいて、オフィシャルにOKであるというものなんですよね。ですから、写真に載ってるようなきちんとした証明書に活字でOKになっているということなんです。ですので今回限りというのは、別にワクチンは3日過ぎても大丈夫とかそういう話ではなくて、例えば途上国に行くと期限切れの医薬品の問題とかもしょっちゅう私もあっていたし、そういうこととは全然違う話ですね。逆にいうと、これが期限内であったとしたってね、温度がガンと上がっちゃいましたなんて話になると、全部廃棄ですね」
(大吉アナウンサー)
「そこは大切ですね。正式なやり方でちゃんと保管された上で、有効期間がファイザーならこれだけモデルナならこれだけと。今、先生は途上国の例を挙げられましたが、日本においては大丈夫だということですので、二重線で消されていても皆さん安心してください」
家族全員陽性だが「のどの痛み」「熱」「無症状」などバラバラ
【視聴者からのメッセージ】
『家族5人が家庭内感染で陽性になり、3か所に分かれて療養しています。家族の症状は「無症状」「熱が続く」「せきやのどの痛み」など、何の違いでこんなに症状が違うのか不思議です』
(大吉アナウンサー)
「5人家族のこのBさん一家は、1日目に長女(24)と次女(19)がのどの痛みを訴えました。『口を開けて寝てたんかな』という話をしていたそうですが、その日の夜に長女が発熱。2日目に長女と次女がPCR検査を受けました(結果は後日)。2人が検査中にBさん(40代)自身が発熱。Bさんは基礎疾患があり、救急車で搬送され、その日のうちに陽性と判明。そして4日目、長女と次女の陽性が判明して自宅内隔離が始まりました。6日目、面倒を見ていたBさんの夫(50代)が発熱。7日目、夫と三女(小学生)が検査を受けて陽性判明。大変な状況なんですが、Bさんが一番気にしているのは、全員ワクチンを2回接種していて、その上で症状が全然違うということです。長女と次女はのどの痛み、Bさんは熱が続き、夫はせきがひどいと。一方で三女は無症状。医療の目線から見るとどうなのか、勝田先生によりますと、実は全員『軽症』の範囲であるということです」
(勝田教授)
「そうなんですね。どうしてこんなに症状が違うのというこのお気持ちは尊重したいと思います。思いますが、ただ医療のカテゴリーの中では、肺炎症状がないというところであれば、全て軽症という1つのカテゴリーになるんですよね。ただ、実際に症状はどうなるのか、いろんな研究はあります。例えば、過去に単なる風邪のコロナウイルスに感染して、それと交差免疫があるんじゃないかとかいう話もあるんだけども。ただ、これを説明するだけの根拠にはならないですよね。というのは、のどの痛み・せき・熱とか、だいたい咽頭部のところで炎症が起こっていてウイルスが悪さをしているという症状なんですよね。だから肺炎にいってるという感じではないわけなので。また実際に酸素の分圧はどうなっているのか、酸素の値というのは出てはいないけれども、それぞれ入院相当にはなっていないということですから、おそらくこれは同じカテゴリーの中に皆さんいらっしゃるだろうと」
(大吉アナウンサー)
「肺炎になっておらず、酸素飽和度の数値も正常であれば、Bさん一家でみられる症状は軽症の範囲だと。Bさん一家はしんどいと思いますが、焦らないでということですね」
何をもって完治になる?
【視聴者からのメッセージ】
『感染した後は何をもって完治なのでしょうか?完全に体内からコロナウイルスは消滅するのでしょうか?それとも抗体ができただけで体内にウイルスは残ったままなのでしょうか?』
(大吉アナウンサー)
「勝田先生によりますと、7日でウイルスの体外への排出はなくなる。10日経てば通常の人は完治したと見ていいということです」
(勝田教授)
「ですから、だいたい仕事を休んで復帰するときに、10日間休んでいただければ、なおかつ、熱が下がってから72時間ということになっているんですよね。ただ“通常の人”というところに注意してください。というのは、100人中100人という意味じゃないです。例えば、免疫機能が低下している状態、白血病・がん・HIVであるとか、そのほか高齢というのもあります。そうした場合は10日間経って排除できないということがあります。その中で、例えば変異株が発生するのではないかとかそういうこともあるわけなので、100%ではないけれども、通常の健康な免疫を持っているという前提でもって、だいたい10日というところでウイルスはほぼ排除されていると思って結構です」
(大吉アナウンサー)
「完治についてはもちろん症状がなくなってきているという大前提があります」
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