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客の困った行動『薬局に濃厚接触者』『タクシーでマスクなし』など多くの不安の声 専門家は「会社側の安全配慮義務」も指摘

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2月21日の毎日放送『よんチャンTV』では、新型コロナウイルスに関して視聴者から寄せられた体験談について取り上げました。スタジオには、医師であり公衆衛生に詳しい関西福祉大学の勝田吉彰教授に来ていただきました。

薬局に濃厚接触者 葬儀会館で大声で会食 タクシーでマスクなし

コロナ禍で「接客」を行う方々から、“客の行動”に関して不安を感じているという以下のようなメッセージが届きました。

【視聴者からのメッセージ】
『ドラックストア勤務です。最近早朝から風邪薬コーナーにお客様が集中。症状が出てつらそうな方、「自分は濃厚接触者」とおっしゃる方、マスクをしない年配の方もおられます。私たちはガードといってもマスクと消毒のみ。スタッフを感染から守るには…と悩ましいです』
『ファストフード店で働いています。商品の受け渡しのとき、カウンターでの注文のとき、マスクをつけてください。特にドライブスルーでつけていらっしゃらない方が多いです。車でマスクを外していて、そのまま来店されるのはわかりますが…』
『葬儀会館のスタッフをしています。親戚の皆さんが集まって通夜膳・精進落としの会食をするときに、マスクを外して食事をしながら大声で話すお客様がいます。配膳していてとても怖いです。黙食を促してもクレームが来そうで…』
『和歌山市駅周辺で個人タクシーを営業しています。たまに、大阪から和歌山に4人くらいで飲みに来られ、マスクを着けない方や大声で会話をする方がいます。運転中、飛沫が飛び散りビクビクしています。生活があるので休むわけにもいかず…』

(大吉洋平アナウンサー)
「このタクシーの話でいうと、大阪にはまん延防止等重点措置が出ているが、和歌山には出ていないという時期がありました。そういうときに、和歌山に行ったら飲めるよねという動きがあったみたいです。今は和歌山もまん延防止措置が出ています。では、紹介したこの4つの例で、勝田先生が特にリスクが高いと思われるのはどれかというと、ドライブスルー以外だということです」
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(勝田吉彰教授)
「ドラッグストアの例は実際に症状がある人が来ているわけですから、例えば、完全にアクリル板でふさぐとか対策を取らないといけないよねと思います。そして葬儀会館の例は、これまさに飲食店と同じ状況なのにもかかわらず、例えば4人以内に机を分けましょうとかお酒の提供やめましょうとか、そういうところからちょっと外れているというところ。タクシーはもちろんそうです」

(大吉アナウンサー)
「ドライブスルーはそんなに気にすることなさそうですか?」

(勝田教授)
「ドライブスルーはおそらく飛沫が飛ぶ距離以上に離れていて、その中に空間があると思うんですよね。ただファストフードに行ったら何やってもええねんってことではない。誤解しないでください。というのは、やっぱりカウンターでは実際に距離が縮まりますから、そこでマスクなしで『ハンバーガー1つ』などと言わないでくださいね」
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(大吉アナウンサー)
「私、ファストフード店でアルバイトしていました。自分が言いたくてもね、アルバイトという立場で何かお客さんに言えるかなと。それはちょっと店長が言ってほしいけど、ドライブスルーの受け渡しに店長はあんまり出てこないし、とかね。なんかちょっとその辺りを想像しました。そして、勝田先生は産業医でもいらっしゃるんですが、労働衛生コンサルタントという国家資格もお持ちです。そのお立場から、会社側はアルバイトでも派遣でも正社員でも『労働者に対して安全配慮義務がある』という指摘ですね」

(勝田教授)
「今回のいろんな声を聞きながら共通していることは、労働者がまさにリスクの高いところに押し出されているという状況が見えてきたんですよね。だからあえて言わせていただくのは、経営者、会社を運営するトップの方は、労働者のそういう危ないリスクを減らさなくちゃいけない。労働者が安全に働ける環境をちゃんと作らなければいけないということです。それはね、いろんな有名な会社も裁判起こされて負けているということもあります。今回のコロナについて言えばね、例えばドラッグストアの話では、本部の一番上が、オープンカウンターをやめて完全なクローズのカウンターにしましょうとやらなきゃいけないと思うんですよね。ファストフードのチェーンでも、同じように何か工夫ですよね。さっきドライブスルーはまぁと思ったけれども、やっぱりカウンターというリスクが高いところがやっぱりあるわけですしね。そして葬儀会館はまさに飲食店と全く同じなんだという認識を持って、机は4人以内にするとか。そういう1つのルールを『うちでお葬式してくださるんでしたら、こういうルールでやっていただきます』ということを打ち出して、会食をする場所についても対策を講じなければいけない。そういったことを経営者がちゃんと考えないと、労働者がこういう声をどんどん放送局に送って来ざるを得なくなるという、この状況を私は非常に危惧しています。私が行っている産業先でもね、安全衛生会議というのがあって、委員会というのがあって、こういうことがないように対策をちゃんと組んでいます。やっぱりこれらの問題は会社側がまずいんじゃないかなと、根本的に思うわけです」

無料検査で“怖い思い”を体験 医師「冷静に行動を」

コロナの無料検査で怖い体験をしたというメッセージも寄せられました。

【大阪市に住むAさん(40代)からのメッセージ】
『母が胃がんの手術を控えています。入院のとき病院まで付き添いたいと思い、私もコロナの無料検査を受けに行ったのですが、検査を受けた薬局で「感染してしまったかも」というとても怖い体験をしてしまいました』
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(大吉アナウンサー)
「Aさんの体験談をイメージ図にしてみました。まずAさんは薬局の待合スペースで問診票を記入します。個室では違う男性が検査中でした」
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(大吉アナウンサー)
「その後、男性は個室から出てきて、今度はAさんがその個室に入って鼻の奥をぬぐう検査を受けたということです。鼻の奥をぬぐうので検査中にくしゃみが出ました。よくあることですよね」
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(大吉アナウンサー)
「ただ、その後にAさんは、薬局の人と男性のこんな会話を聞いたそうです。薬局の人が『やっぱり陽性でしたね』と言うと、男性は『2日前からすごくだるかったんですよ』と話したと。男性は症状が出ていたようで、こうしたやりとりは検査場ではある会話だと思います」
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(大吉アナウンサー)
「ただ、Aさんとしては恐怖で震えが止まらなくなり、ここにおったらあかんと外に飛び出してしまったということです」
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(大吉アナウンサー)
「Aさんはこのときにどういうことを考えていたかというと、陽性者と同じ部屋に入ってそこで自分もマスクを外したので、それが怖かったと。また、自分もくしゃみが出たから、直前に検査した男性もくしゃみしていたんじゃなかろうかと。男性が個室を出た後に換気も消毒もAさんが見るところしていなかった。そもそも薬局が症状がある人の検査を引き受けるなんて…。こういったことをAさんは考え、突然ちょっと怖くなり、ここにいたらあかんのちゃうかなと思って出たということでした。Aさんは後日、検査は『陰性』と伝えられたということです。勝田先生は今回のAさんの体験談をどのようにご覧になりますか?」
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(勝田教授)
「まず部屋の中、くしゃみをした瞬間に直接対峙しているわけではないので、ポイントは飛沫感染のことではないと思うんですよね。そうすると結局どこが焦点かと言ったら、エアロゾル感染があるかないかです。検査をするお部屋が普段から換気はどうなっているのか、そこのところがポイントなのかなと思います。ですから、そこがエアロゾル感染が起こらないようなことになっていればクリアできると思うし、そこはそうじゃなければ、ちょっと改良してくださいねっていうことになると思います」

(大吉アナウンサー)
「検査室がきちんと目に見えるような形で換気がされていて、検査を受ける人たちにある意味見せるように消毒がされていたら、ある程度Aさんの気持ちも和らいだのかなと。あと、今回Aさんが外に飛び出したことについて、勝田先生から指摘があるようですね?」

(勝田教授)
「そこはちょっと冷静になって、キョロキョロ見る余裕があった方がいいと思うんですよね。というのは、この飛び出すとかブルブル震えるとか、そういう心理状態というのは何かケガをする。例えば、どこかでつまずくとか、どこかで飛び出してぶつかってしまう。これがね、今まさにこの医療ひっ迫のときに救急病床を埋めてしまうとか、あるいは救急なのに入れないという、いろんなトラブルのもとになるんですよね。ですからこれはね決して笑っちゃいけない話です。冷静を失って急にパニックにならないように。これまでにいろんなことがわかってきているわけですから、それを思い出してもらって判断してもらったらと思います」

(大吉アナウンサー)
「シンプルに言うと、今ちょっと慌てて行動して大きなけがをされたとしても病院ですぐに診てもらえないかもしれない。そういう状況があるから、普段からちょっとね、普段以上に落ち着いて行動するという部分ですよね」

大阪府の無料検査は空いている?

(大吉アナウンサー)
「大阪府で無料検査が受けられる対象を改めてお伝えします。症状がなく濃厚接触の可能性がないことが前提です。これは無料検査のお話です。そのうえで、大阪府内在住で感染の不安がある人や府に事前登録したイベント主催者や飲食店などに陰性証明を求められている人。陰性証明を出さないとそのイベントに行けないとか飲食店に行けない、こういうときにはこの無料検査を利用できます。あと、不要不急の府県またぎをする人。用事や仕事があって府県をまたぐ人というのはもちろん仕方ないんですけれども、その他の不要不急の府県またぎ。ちょっと控えてねという動きがある中で、でもどうしても遊びに行きたいよという人は、無料検査に行き陰性の証明を取るということが1つ方法としてはありうると」
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(大吉アナウンサー)
「では、今、無料検査は受けられるのか。検査キット不足に関しても言われています。大阪府の無料検査実施業者に問い合わせると、様々なパターンがあるんですが、すぐに検査を受けられる場所もあります。全部が全部受けられない、一杯ということではない。あと直接来場・来店して番号順または並んで検査となるところや、予約を取っているところも実はあります。予約を取っていないところが割とよくテレビには出るんですけれども、予約制のところもあります。一方、検査キット不足のために受付を一時停止している場所もありますので、皆さんぜひ調べていただければと思います」

2022年02月22日(火)現在の情報です

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