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"異例"の約3年間通行止め...『阪神高速松原線』の一部区間 理由は「一般道の交通を妨げないような」工事手法

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 阪神高速松原線・喜連瓜破~三宅JCTの上下線は、工事のため6月1日から通行止めとなります。

ドライバーからは不安の声「3年は長い」「渋滞が心配」

 通行止め期間は異例ともいえる約3年。大阪市平野区の瓜破交差点にかかる高架橋の架け替え工事のためで、「大阪・関西万博」開催前までの工事完了を目指します。
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 5月31日、取材班がこの区間を走ってみました。

 (記者リポート)
 「いま大阪方面へと向かっています。反対側が松原方面です。渋滞はしていないものの、乗用車やトラックなど多くの車が走っています」

 1日の通行量は約6万台。奈良・和歌山方面から大阪市内へと向かう多くの車が利用する主要道路のひとつです。
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 3年の通行止めについてドライバーは次のように話します。

 (ドライバー)
 「むちゃくちゃ長いですよ。1年でも長いかなと思うんやけど、やっぱり3年は長いですね」
 「一番不安なのは配達に行った帰りですね。帰りの渋滞が心配です。ちょっと時間が読まれへんなというのが」

橋桁の垂れ下がりが進行…一般道を通行止めにせず“橋を架け替える”

しかし、なぜ3年もかかってしまうのか。そこには深いワケがありました。

 (阪神高速道路 鳥越宇人さん)
 「対象の高架橋は建設してから40年以上経過しておりまして、橋桁の中央部分で垂れ下がりが進行しております。ケーブルをはって下から支え上げるような補強をして、垂れ下がりの対策をしております」
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 補強作業で安全性は保たれてはいますが、今回、ごっそり新しい橋に架け替える計画です。こうした工事は通常、下を走る一般道路を通行止めにするなどして行うのですが…。

 (阪神高速道路 鳥越宇人さん)
 「工事の場所は交通量が非常に多くなっております。一般道の交通量を妨げないような工事の方法を採用しておりますので3年間かかってしまいます」
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 今回採用した工事手法はこうです。まず、高速道路上にコンクリート片などを搬出するための「仮設桁」を設置します。その仮設桁を使って道路本体の橋桁を分解しながら徐々に撤去していきます。工事中も下の一般道路はいまと変わらず通行が可能です。
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 そして、別の場所で造られた新しい橋桁を巨大な台車を使って運び、はめ込むように設置していくのだといいます。阪神高速は、3年かかるとはいえ、一般道を使いながら工事を進めるこの方法が最適だと理解を求めています。

2022年05月31日(火)現在の情報です

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