WORK職種紹介
#04
NEWSREPORTER報道記者
- NAME
- 金咲 和歌子Wakako Kanasaki
- DEPARTMENT
- 報道情報局/報道センター
- CAREER
- 2015年度入社
おシゴト紹介01 / 04
信念を持って、
深い悲しみのなかにいる人と
向き合う。
あなたの仕事を教えてください。
報道は事件や事故、裁判、会見などがあった際に、いち早く正確に情報を収集し、世の中に伝える仕事です。突発的な事件などが発生したときには、事件が起きた30分後に放送することもあります。取材の15分後にオンエアが決まっている原稿の執筆など、スピード感が求められる場面も多いです。私は神戸支局のキャップとして、どの記者をどの現場に向かわせるかの、全ての取りまとめを行なっています。毎日さまざまなできごとが起きるなかで、ニュースとして取り上げるべきか、何を世の中に伝えるべきか、自分なりの信念を持って行動しています。
ただ、入社1年目には、報道記者のあり方に悩んだこともありました。きっかけは、交通事故で旦那さんが亡くなった家から、ご本人の顔写真をいただく仕事でした。悲しみをえぐるような行動の目的がわからず、先輩に疑問を投げかけたことがありました。そんな私に先輩もしっかりと向き合ってくださり、「写真がなく言葉だけのニュースだったら、誰の目にも止まらない。写真があることによって事故の現実味が増す。注目する人が増えると同時に、放送時間も長くなり、より多くの人の目に止まることになる。結果、“交通事故を増やさないためにはどうしたらいいのか”とみんなが考え、世の中が良くなる。そのために、顔写真が必要なんだよ」。当初は写真の提供を強く拒否していたご遺族の方も、この考えを伝えて対話し続けた結果、納得して応じてくださいました。自分の内面を全てさらけ出して、腹を割って話してこそ、相手も応えてくれる。この経験と、先輩からいただいた言葉は、今も私の信条です。
おシゴトへの想い02 / 04
「世の中が良くなる」と
信じ続けた半年間。
印象に残っている
仕事はなんですか。
ある市長を半年間取材し続け、放送に結びついたときです。手厚い子育て支援策を実現させ、政治的手腕を高く評価されていた市長。一方で、内部関係者への「暴言」とも取れる厳しい対応が問題となっていました。実際、職員に対して取材すると、暴言と取れる話もあり、危うい印象を受けました。もし本当にパワハラが行われていたのならば、自治体の長として許されない行為ですし、市の職員のパフォーマンスが下がってしまいます。私は、市長の行いを事実に基づいて公にして伝えることが、社会的な意義を持つであろうと強く信じていました。
取材を続けていくなかでは関係者探しが特に難しく、途中、何度も投げ出しそうになったことがありました。そんなときも自分が思う社会的意義を信じながら半年間粘り続け、無事放送までつなげることができたのは、大きな経験です。放送後にはSNSでもさまざまな反響があり、信じ続けた半年間が報われた思いでした。
おシゴトの環境03 / 04
社内外問わず、
一人の人間として
支えてくれた。
記者の仕事で大切なことは?
一番重要なのは、人間関係です。入社当初は強面の刑事たちに話しかけても、名刺交換すらしてくれない状態でした。話しかけても名乗らず、名刺も受け取らず、どこの誰かも言ってくれない状況。埒が明かなかったので、ある日、ある捜査員が持つカバンに自分の名刺を勝手に入れたのです。そのあと電話がかかってきたことをきっかけに、今では長年の関係が続いています。その方は、私が一度営業の仕事に異動になり、4年後に記者として戻ってきたときにも、「よく戻ってきたな」と歓迎してくれました。
記者は、1年目の初日から一人でマイクを向けに行く、ある意味とても厳しい仕事です。しかし、一緒に取材へ行くカメラマンや社内の先輩、また、現場にいる新聞記者や警察官とも自然と関わりが広がっていきます。私自身、皆さんから「取材とは何か」を教えていただき、ここまで来ることができました。社内外問わず、いろいろな人と接することができるのは報道の仕事の魅力だと思います。
ただ、長年築いた関係性や信頼も、私が間違った情報を流したら一瞬で壊れてしまう点も、難しいところ。どんなことにも誠実に向き合うことを常に心がけながら、大切な人を裏切らないよう、丁寧に仕事に取り組んでいます。
COMMENT
学生時代は体育会ヨット部の活動に力を注ぎ、元気、礼儀、時間厳守というヨット部の3原則を唱えながら4年間を過ごす。ミュージカルが大好きで、楽しくて賑やかなエンターテインメントに携わりたいという想いで就職活動を続けるうち、梅田芸術劇場の隣に本社ビルを構えるMBSに興味を持った。報道、営業外勤を経験し、現在は再び報道記者として近畿一円を飛び回っている。